娘の婚約者の両親への手紙その2
私たちがアメリカを離れて半月が過ぎて届いた手紙―娘の婚約者の両親からの便り。私が送った手紙はとっくに届いてその返事の手紙、だと思えばそれだけのことだが、開けて読んでみるまでは実は不安だった。ちょっと日数がかかりすぎだった。
アメリカ人は、こと手紙に関しては実にマメな国民だと思う。『手紙』と言って悪ければ、『~状』的な手紙と言おうか。
季節のグリーティングカード、知り合いや親しい人のバースデイカード、お見舞いカード、お祝いカード、などなどをはじめとして、一筆書いたカードを贈りまくる。誰かの家に招待されたり、何かギフトをもらったりすると、その日のうちに必ず一筆する。アメリカにいる間にこの種のカードは実によくもらった。子供のときからバースデイギフトのお礼状で鍛えられている彼らは、何の苦もなく『~状』を書き送る、ように見える。
だから私たちが彼の両親の家を訪ねて、ささやかなギフトを持っていったら、良識ある彼らは必ずや手紙をよこすはずだった。それに半月もかかるのはちょっと不思議、と言うか、ひょっとして私たち失礼な事をしたかな?って不安にすらなりかけていた。
で、読んでみてびっくり。彼のお父さんの妹さんが亡くなったのだった。私たちが帰国した翌々日に。娘も葬儀に行ったというけれど、彼女何にも言わないんだもの!そういう事は言いなさいよ!とか思ってみるけれど、彼女にしてみたら、「パパやママの親戚じゃないし、言っても仕方ないかなーって思った」ぐらいのことだ。
それにしても、亡くなった方は(婚約者のおばさんにあたる)まだ若くて、がんだったと言うから、私たちの訪問は実にタイミングが悪かったことになる。実の妹と最期の時を過ごしたいと思ってらしたはずだから、そういう時にお邪魔をしちゃったのね。
さてさて、お悔やみの手紙は難しい。これはどんな言語でもきっと難しいと思う。どうしよう、困ったなー、って思ってたら息子が言った。「英語のお悔やみの手紙のほうが簡単だよ。日本だと、お悔やみはこういう風に書かないといけないって言う形式があるだろ。英語にも一応そういう表現はないことはないけど、決まった形はないからね。自分の好きなように書けばいいからさ。要は心がこもっているかどうか、ってことさ。」と。
そうだね。そのとおりだね。これで決まった。ビジネスレターなら夫に押し付けるけど、こういう手紙は(どういう手紙も)私に任せなさい!
決して流暢でもないお悔やみの手紙を、ひやひやどきどき頑張って書いた。娘よ、もう少し気遣いできるようになってほしいなあ。一応大人なんだからさ。
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