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唖然として

腰が抜けてしまう、って事がほんとにあるんだ!

少なくとも、気分としてはそんな気分。驚いた、と言ってしまえば簡単だけど、えっと、それだけじゃないんです。もっと言わせてね。

怒っている。そうかな?

心配している。それはそう。

全く喜んでいない、わけでもない。

...............................

事件は11月3日、遅い朝食を取ろうとしている時に起こった。

アメリカにいる娘から私の携帯に電話がかかってきた。娘は単身で渡米して4年目なのに、電話をかけてきたのはこれが3度目。何か変わったことでも起ったのか、と一瞬案じつつ、でもそれを打ち消す元気な娘の声に、上機嫌で近況を尋ねあった。たまたまそばに夫も居て、私達は思いがけない声の便りを心から喜び合っていた。

と、娘が、「ママ、彼がママと話したいって言うから代わるね!」(「彼」とはこの夏娘と一緒に遊びに来た娘のボーイフレンドである。)

へえ、あの彼が一体私に何を話したいのか知らん?礼儀正しく挨拶したいだけかな?時候の挨拶をして、そのあと何を話したらいいのか知らん?なんて考えていたら、向こうは電話口で何やら言いにくそうな気配…

もともと口下手な人だ。年上の私が何か言ってやらなくては、とひたすら焦っていると、意を決したように"I'm wondering....if I ask you..............I'd like to marry her"
(このherの部分にはうちの娘の名前が入ります、当然。)

!!!!!!!

思わず息を飲んだ私は、聞き間違いかな?とか期待して、「い、今marryって言った?」と聞き返してしまった。

えっ?えっ?結婚?結婚って、うちの娘と?

当たり前でしょ。私とのわけがない…

電話で娘のボーイフレンドがいきなり「お嬢さんと結婚したい」と言ったら、どーします?

文字どうり、私は言葉を失った…

…I'm speechless... Hold on...

文字どうりだ。何も言えない。緊張したりして頭の中が真っ白になった経験はあるけれど、実のところ真っ白と言うのとも違う。今回は。

まだ大学生なんだよ。まだ21歳になってないんだよ。来年5月に卒業するけど、その後の進路も決まってないんだよ。学生ビザのままで許可されている1年以内の短期就労をした後で次の学校を探そうか、マサチューセッツ州内にするかどうするかって、そんな話をしてたじゃないの。

いろんなフレーズが浮かんではくる。考えている事もいっぱいある(気がする)。でもそのフレーズの中の何かを選んで言えば、それが私の意見となってしまう。今口にする一言はきっと後で重みを持ってしまう。

こんな風に電話でいきなり娘との結婚話を切り出すやり方に理不尽さを感じつつも、唯一私が言えたのは、こういうことは電話で話すようなことではないので、会って話すべきだ、今は何も言えないという台詞だけ…

その後娘に電話を替わらせたものの、あっけらかんとしている娘は「私がママに直接話したら、ママが叫びだすと思ったから」だそうだ。動揺している私は「叫ぶ」元気もなければ、冷静な話をする理性もない。やはり言葉を失ったまま…で、この日はここで小休止。

あれから1週間たつけれど、実は何の進展もない。娘にはとりあえずメールを出してはおいた。『将来』って言ってたけど、どのくらい先に結婚したいと思っているの?と。

あと5年も先、というのなら、私は真剣に考えなくてすむし。あっそう、まだまだ先だから、まあ長い目で見ましょ。

今すぐ、というのなら簡単。そんなのだめに決まってるでしょ!まだ学生なんだから。

問題は来年の5月に娘の卒業を待って結婚したいとか考えているとしたら、どうしよう!?

..................................

彼女はまだ返事をしてこない。これはいつものこと。もちょっと待たないとね。

待ってる間にも、いろんな不安が頭をもたげてくる…

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At Risk / Patricia Cornwell著

Cornwellさんは私にとっては特別な人で、もちろん一方的にしか存じ上げなくて、1ファンに過ぎないと言ってしまえばそれだけなんだけど、私が英語の本を読み始めたきっかけを作ってくれたのがこの人の作品、もっと言えば主人公Kay Scarpettaなのだ。

90年代半ば、アメリカで子育てしていて、日常的生活で苦労するほどの英語力しかなくて、子供のほうがどんどんと英語を覚えていって、Dr.Seussとかの絵本を買ってやったは良いけれど一体どこが面白いのかちんぷんかんぷんだった。そういう私が無謀にもPatricia Cornwellを読みたいなんて決意してしまったのは、邦訳版が出るまで待ちきれない、それほどにKay Scarpettaの物語に夢中になったから。

英語で最初に読んだ小説がCornwellなんてどれほどそのあと大変だったかはまた別の機会においとくとして、たとえ1冊の本に1ヵ月半かけたとしてもそれだけの値打ちがあったのだった。

以来私はCornwellを読み続け、新作が出るとすぐにハードカバーで求め、彼女の出版されている本は1冊を除いて全て持っている。中には複数部持っているものだってある。

それでも最近ちょっと違うかな、って言う気がしてた。Scarpettaの魅力がちょっと薄れてきたような気がしていた。そして、今回発売はだいぶ前になるけれど、At Riskはあんまり評判が良くなくて…

いつもなら迷わずハードカバーを求めるんだけど、今回は見送った。ペーパーバックを待って買うことにしてしまって、それも、待ちきれなくて表紙を繰るのではなかった。期待はずれになったらどうしよう…と、どうして一読者の私が心配するのか分からないけれど、長年連れ添ったパートナーのような気がしている私は、心配する権利があるでしょ?

んー、読み終えてやっぱり心中複雑。彼女の新しい世界を開拓している、という感じよりは、Scarpettaを書いていたときのような輝きが感じられない気がする。Hornet's NestでAndy Brazilが出てきたときには新しい境地を開いているんだなあ、なんて期待したんだけど、このAt RIskでWinに大してそういう風に感じられない。ここかしこで、Cornwell風の各ピースがピタッピタッとはまっていく小気味のよさは感じることはある。でも何だか違うぞ、こんなはずじゃない。登場人物に魅力がない…きがする。ScarpettaやMarinoに対する思い入れが強すぎるのかなあ。何だか、寂しい。

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4年前の予言は誰も覚えていないけれど

近頃の一番の関心ごとは、やはりアメリカ大統領選挙。

2004年のブッシュ再選時の上院議員選挙の時に私は息子に必死になって語った覚えがある。

(おそらく彼は忘れているだろう。)

当時新人だけれど将来有望な政治家が登場したって話題になって(話題にしたのは私で、話題になったのは我が家の中でだけだったけれど)、そのときに「アメリカ発の黒人大統領になるのは、このバラク・オバマという若い上院議員だからね。次の08年の選挙には間に合わないかもしれないけれど、きっとその次くらいには彼が民主党の救世主として現れるからね。」

4年後の選挙に間に合わないどころか、ほんとにアメリカの歴史の新しいページを開いてしまった、オバマさん。

彼の言うChangeが具体的にどういうchangeなのかは良く分からないし、彼に投票した多くの人たちも自分にとっての良いchangeであることを期待してのことだものね。課題山積の中、リーダーは大変だなー。

彼が黒人だって事はすごい意味があると思う。日本にいると人種問題は特に気にしないでいられるけれど、私自身も何年もアメリカでマイノリティーの一人として生活してみて、意識してつとめなければ人種の壁は取り払う事はできないと思い知らされた。すごい事なんだよ。ハリウッド映画以外で黒人大統領が誕生するってことは。

彼の選挙中の演説とか、勝利演説とか、テレビで聴きながら、このスピーチをアメリカにいて聞いていたとしたならわたしも会場を埋めた聴衆と同じように興奮に酔いしれて涙ぐんでいたに違いないと思う。それくらい彼はスピーチが上手い。それに人々はそれを本当に大切にしている。

最初に大統領選挙に関心を持った96年のクリントン再選時の演説の数々も私には大きな衝撃だった。英語力がなかったから、勉強のつもりで必死になってテレビにかじりついて聞いたけれど、こんなにも言葉は力があるものなんだとそのとき思い知った。日本の政治家とえらい違いだと心底びっくりした。

(だからって日本人より人格が上だと言っているわけではないが、言葉で表現する事無しには人の心を動かせない国、そういう人々、英語はそういう言語―新鮮な驚きで、それが私の英語学習を支えた。)

で、オバマさん、ほんとに話し方は上手です。これぞ雄弁術の発達した英語国家でのリーダーという感じです。でも、冷静になって話している内容を見ると、具体的にどう変わるのか、ほんとに変わるのか、視界がさっと開けてくるような感じはしませんけど…

きっとこれからなんでしょうね…(そう期待しますが)

日本でももっと言葉、政策の言葉を大切にした議論が行われて欲しいな、と願うのは私だけではないだろうが、まあ、無理かな。政治家だけの問題じゃないんだ。議論をする、という土壌がないんだもの。

政策の議論じゃなくて、2代目3代目が世襲の家業のように選挙区を引き継いで当たり前と思われるような国なんだから。

(まあ、こんな風に国民が諦めているあたりからもう先が見えている)

他国での出来事は楽しい、自国でやるのは大変…

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